肺炎球菌ワクチンには、複数のワクチンがあります。
肺炎球菌ワクチンには、複数のワクチンがあることをご存知ですか?
肺炎球菌には100種類の型がありますが、その中で子どもたちに重い病気を引き起こすことが多い血清型を選んで肺炎球菌ワクチンが作られています。
日本では2010年に、5 歳未満の小児に対して7種類の肺炎球菌の血清型に対応した肺炎球菌ワクチンが国の助成で接種できるようになり、さらに2013年11月には13種類の肺炎球菌の血清型に対応した肺炎球菌ワクチンが定期接種となりました1)。
下のグラフからも分かるように、ワクチンに含まれる13種類の血清型による小児侵襲性肺炎球菌感染症の発生は減少しています。
しかし、ワクチンが対応していない13種類以外の血清型による肺炎球菌の小児侵襲性肺炎球菌感染症が未だに発生しているため、これらに対応したワクチンの開発が進められています。
日本における肺炎球菌ワクチンの流れ
小児侵襲性肺炎球菌感染症の発生に対する肺炎球菌血清型の移り変わり
(2008~2023年)2)
調査の方法:国内の10道県の5歳未満の小児を対象として、2007年より、1道9県において小児侵襲性肺炎球菌感染症を発症した児童数の変化や、児童から分離された菌血清型の変化について調査した。
1)大堀純一郎:JOHNS Vol. 37 No. 11:P1429-1431、2021
2)小児・成人の侵襲性肺炎球菌感染症の疫学情報
https://ipd-information.com/?page_id=46 2024/06/10参照
監修:千葉大学真菌医学研究センター
感染症制御分野 教授 石和田 稔彦 先生
2024年9月作成 PRV45O003A