肺炎球菌ワクチンは、1歳を過ぎてから4回目の追加接種を受けることで、初めて長く続く免疫力をつけることができますが、0歳で3回の接種を終えて、しばらく時間が経つため、追加接種を忘れてしまうこともあります。しっかりと、追加接種も受けられるように準備しましょう。

どうして4回目の追加接種が必要なの?

ワクチンには、ウイルスや細菌の毒性を完全になくして、免疫をつけるのに必要な成分だけを残しているものがあります。それが不活化ワクチンといわれるもので、肺炎球菌ワクチンも不活化ワクチンです。
そのため、自然感染に比べて、体につく免疫力が弱く、1回の接種では十分な免疫がつかないため、何回かの接種が必要になります。
4回接種で完了する肺炎球菌結合型ワクチンを乳児期に3回しか受けず、追加接種を受けないと、下のイメージ図のグレーのラインのように、ワクチンの予防効果は時間の経過とともに低下してしまいます。しかし、1歳になって追加接種を1回受けると再び免疫力が向上し、より確実な予防効果が得られます。これをブースター効果といいます。肺炎球菌ワクチンの4回接種のうち、「3回受けたから大丈夫!」ではなく、しっかりと最後まで決められた回数を接種することが大切です。

接種回数と免疫力[イメージ図]接種回数

監修:育良クリニック 小児科顧問(監修時) 薗部 友良 先生

肺炎球菌ワクチンの接種スケジュールでは、
全ての接種パターンで「追加接種」が設定されています。

肺炎球菌ワクチンは生後2か月から接種を開始することが推奨されていますが、標準的な予防接種スケジュールで予防接種を受けられなかったお子さんのために、色々なパターンでの予防接種スケジュールが提示されています。
この中で、しっかりと意識していただきたいのは、すべての接種パターンで「追加接種」が設定されているほど、重要な接種ということです。

●標準的な接種開始年齢[生後2か月から6か月]で接種した場合1)

0歳代[生後2~11か月齢]で3回、1歳代[12~15か月齢]で4回目の追加接種をします。

標準

●標準的なスケジュールで接種できなかった場合1)

接種開始の年齢によりスケジュールが異なりますが、以下のように60日間以上の間隔をあけて追加接種をします。

接種開始の年齢

1)プレベナー20水性懸濁注電子添文 2024年8月改訂(第2版、効能変更、用法変更)

監修:医療社団法人 自然堂 峯小児科院長・理事長 峯 眞人 先生

2024年9月作成 PRV45O003A