1-4歳のお子さんをお持ちの保護者の方へ
保育園や幼稚園の入園までに、ワクチン接種を。
集団生活は、感染症にかかりやすい?!
保育園や幼稚園などでの集団生活は、感染症にかかりやすい環境といえます。これは、多くの子どもと長時間、同じ空間で過ごし、病気の原因となる細菌やウイルスに触れる機会が増えるためです。なかでも肺炎球菌やヒブは、多くの子どもの鼻やのどの奥にすみついて[保菌*]、子どもの体力や抵抗力が低下すると、細菌性髄膜炎などの重大な感染症を引き起こすことがあります。
実際に、保育園に新しく入園した0歳クラスの児童の、鼻やのどの奥にどの程度、肺炎球菌がすみつくようになるかを調査したところ、4月の入園時には58%の児童が肺炎球菌を保菌しており、2か月後の6月には81%、12月には93%まで肺炎球菌の保菌率が増えたという報告があります1)。
*保菌:鼻やのどの奥に菌がすみついている状態。保菌だけでは病気ではないが、病気になるリスクがある。
1)武内一他:外来小児科 Vol.19、No.2:157-165、2016
細菌性髄膜炎のピークは春
ヒブや肺炎球菌は、子どもの病気に対する抵抗力が落ちたときに細菌性髄膜炎などを引き起こすことがあります。細菌性髄膜炎や菌血症[血液の中に菌が増えている状態]の発症のピークは春。ワクチン接種による予防が大切です。
対象:1道9県[北海道、福島、新潟、千葉、三重、岡山、高知、福岡、鹿児島、沖縄]
方法:2011年の1年間、1道9県において前方視的に全数調査を行い、肺炎球菌性髄膜炎及び菌血症、Hib性髄膜炎及び菌血症の発症例数を調査した。
庵原 俊昭ほか:厚生労働科学研究費補助金平成23年度総括・分担研究報告書 新しく開発されたHib、肺炎球菌、ロタウイルス、HPV等の各ワクチンの有効性、安全性並びにその投与方法に関する基礎的・臨床的研究 「小児細菌性髄膜炎および全身性感染症調査」に関する研究[全国調査結果]
月別発症数をみると、菌血症は4月が一番多く、細菌性髄膜炎は5月が一番多かったことがわかる。
監修:福岡看護大学基礎・基礎看護部門 基礎・専門基礎分野 教授
福岡歯科大学医科歯科総合病院予防接種センター長
岡田 賢司先生
保育園児の兄弟がいると、肺炎球菌やヒブを保菌しやすい?!
保菌は、保育園や幼稚園などの集団生活を送る通園児だけでなく、その通園児を兄弟にもつ子どもにも多くみられます。肺炎球菌結合型ワクチンで、細菌性髄膜炎を予防しましょう。
対象:2008年に佐渡島で出生した349名(参加率98.3%)
方法:乳幼児健診時(4、7、10、18、36か月)に各対象者から上咽頭スワブ検体を採取し常在菌を調査した。また、出生歴、育児・家庭環境、受診歴などの情報を収集した。兄弟の有無による肺炎球菌・インフルエンザ菌[ヒブを含む]の保菌リスクの違いを統計解析によって算出した。
Otsuka, T. et al.: Pediatr Infect Dis J 32(7): 709, 2013より作成
兄弟に保育園児がいると、肺炎球菌・ヒブなどのインフルエンザ菌の保菌リスクが高かったことが知られています。
監修:医療社団法人 自然堂 峯小児科院長・理事長 峯 眞人 先生
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2024年9月作成 PRV45O003A