0歳のお子さんをお持ちの保護者の方へ
細菌性髄膜炎の予防は、生後2か月から
命を奪われたり、後遺症が残ることもある乳幼児の細菌性髄膜炎(さいきんせいずいまくえん)。主な原因は、肺炎球菌やヒブ[インフルエンザ菌b型:Hib]といった細菌です。これらの細菌による感染症を予防するためには、生後2か月を過ぎたら、できるだけ早く肺炎球菌結合型ワクチンと5種混合ワクチンとしてヒブワクチンの接種を始めることが重要です。
接種はお早めに!
ワクチンの標準的な接種スケジュールは、生後2~6か月の間に接種を始め、0歳代で3回接種した後、1歳代で1回接種、が基本となります。1)
細菌性髄膜炎は、子どもの命にかかわることもある病気
細菌性髄膜炎は、なぜ予防が大事?
1. ワクチン普及前の日本では、毎年約1,000人の子どもたちがかかっていた。2)
2. 初期症状は、急な発熱や嘔吐など風邪に似ていて、早期の診断が難しい。2)
3. 症状や訴えがわかりにくい、1歳前後の小さな子どもたちがかかりやすい。2)
4. 最良の治療を行っても、ときに命を落としたり、重い後遺症を残したりする。2)
細菌性髄膜炎の主な原因の1つは、肺炎球菌です
細菌性髄膜炎はワクチンで防ぐことが大切です。予防ワクチンである肺炎球菌結合型ワクチンは10年以上前から世界中で接種されているワクチンです。WHO[世界保健機関]では「すべての国の子どもたちがワクチンを接種すべき」と勧告しています。3)
細菌性髄膜炎:大切な脳や脊髄を包んでいる髄膜や、脳の周りにある髄液に菌が入り、炎症を起こす病気です。
1)日本小児科学会:日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール 2024年4月改訂版
https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20240401_vaccine_schedule.pdf 2024/8/9 参照
2)「細菌性髄膜炎診療ガイドライン」作成委員会編集:細菌性髄膜炎診療ガイドライン2014(日本神経学会,日本神経治療学会,日本神経感染症学会監修),2014,南江堂
3)World Health Organization:Recommendations to assure the quality, safety and efficacy of pneumococcal conjugate vaccines, Annex 3, TRS No 977
https://www.who.int/publications/m/item/pneumococcal-conjugate-vaccines-annex3-trs-977 2023/08/15参照
監修:医療社団法人 自然堂 峯小児科院長・理事長 峯 眞人 先生
2024年9月作成 PRV45O003A